短編
□霧崎第一の場合
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コレとコレとコレとコレとコレの続き
『すっっっごく嫌な予感がする。』
部活に行く途中にそう呟く。
なんだろう、すごくカオスなことになりそうな…とりあえず大変なことになりそうな予感がする。部活行きたくない。このまま帰りたい気持ちでいっぱいです。
しかし、無断欠席なんてしたらオタマ…ゲフンゲフン、花宮に何をされるかわかったもんじゃない。…大人しく行くか。
花宮といえば、この前の真くんとのキス写貰った人って結局誰なんだろう。
原ちゃんにボディーブローした後に尋ねてみたけど違ったし。「ボディーブローする前に尋ねてよ!」って言われたけどそこはご愛嬌。日頃の態度が悪いから疑われるんだよ。
瀬戸…は寝てたからわからないだろうし、ザキもそこまで興味無いだろう。じゃあ花宮?でも花宮がそんなの貰うか?うーん…ダメだ、わからん。
『あっ、着いた。』
考えながら歩いていたら部室に着いてしまった。帰りたい。
ドアノブに手をかけると、中から騒がしい声が聞こえてきた。
またアイツら騒いでるのか?でも、アイツらにしては若干声が高い気がする。すごく嫌な予感。
よし帰るか!と、ドアノブから手を離した瞬間、扉が勝手に開いた。えっ、超常現象!?
「…名無し?」
高めの声に名前を呼ばれ、声の主を見ると、そこには先日会った真くんがいた。え?またちっちゃくなったの?
『真くんなんでここ…「名無しちゃーん!」げふぅッ!!』
真くんに話しかけようとしたら何かにタックルされた。油断してた分めっちゃ痛い。泣きそう。
『げほっ、だれ…一哉くん!?』
「うん!オレだよ!」
私にタックルしてきたのは一哉くんだった。は?なんで一哉くんまで?ま、まさか…。
恐る恐る部室の中を見ると、そこには涙目の弘くん、寝てる健太郎くん、白いタオルに包まれた何か(恐らく康次郎)がいた。嘘だろ…嫌な予感ってコレかよ。
『と、とりあえず中に入れてね。』
一哉くんを剥がして中に入る。気づいたら真くんと手を繋いでた。ナチュラルすぎて気づかなかった…恐ろしい子…。
『えーっと、どうしよう…。』
とりあえず康次郎抱っこしようかな。硬いベンチの上に置きっぱってのもアレだし…。
『真くん、康次郎抱っこするから手離してくれる?』
「康次郎?」
『ホラ、この子だよ。』
康次郎を抱っこして真くんに見せる。真くんは眉間にシワを寄せて「目が死んでやがる…。」と呟いてた。気にしたら負けだよ真くん。