短編

□瀬戸の場合
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コレコレの続き















この前原ちゃんとザキがちっちゃくなった。

それだけならいいんだけど、私の勘では全員ちっちゃくなりそうなんだよなぁ…。てか、今日も誰かちっちゃくなってそう。

杞憂だといいけど…、なんて思いながら部室の扉を開ける。


『……ですよねー。』


部室の中には予想通りというかなんというか…子供が立っていた。

今度は誰だ?と思って顔を見たらすぐわかった。額に1つ、大きな黒子がある。絶対瀬戸だ。

瀬戸だとは思うけど一応確認はしといた方がいいかな。とりあえず声かけるか。


『えーっと、君…お名前なんていうの?』


「なんで知らない人に教えないといけないわけ?」


『えっ。』


な、何今の…!めっちゃ冷めた目で見られたんだけど!?悲しい!
で、でもここで引き下がったら後でめんどくさいことになるかもしれない。頑張れ私!


『…お姉ちゃんの名前は苗字名無しって言うの。』


「名前さえ教えれば知り合いになれると思ってんの?浅はかだね。」


……か、可愛くねぇ〜〜〜!!!
何このクソガキ!子供らしさも何も無いし!マジで可愛くないんだけど!!

思わず舌打ちしそうになるけど、どうにか抑える。イラつくけど、一応(恐らく)部活仲間だ。そこまで無碍に扱うつもりはない。


『お姉ちゃん、君の名前知りたいなぁ。』


頬を引きつらせながらそう話しかける。


「なんでそんなに俺に話しかけるの?俺のことムカつくガキだと思ってるくせに。」


ど、読心じゅ……「顔に出てる。」あ、そっすか。

そういえば瀬戸はIQが馬鹿みたいに高いんだった。だからこの頃からこんなムカつく奴になってるのか。

んー、と少し考える。ぶっちゃけIQ高いなら誤魔化すだけ無駄だろうし、もういっそのこと8割くらい本音で喋った方がいいかもしれない。その方が私も楽だし。


『君さ、私の知り合いにすごく似てるんだよね。ムカつくところとか特に。だからソイツとダブっちゃって…ソイツに似てる君と仲良くなりたいな、なんて思ったの。』


「俺じゃなくて本人と仲良くすれば?」


『無理だよ。』


「なんで?」


『今は……会えないの。』


そっと目を伏せてそう呟く。嘘はついてないよ!今は瀬戸(大)に会えないからね!
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