短編

□山崎の場合
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コレの続き















『やっほー…って誰!?』


いつものように部室のドアを開けると小さい子が立っていた。

なにこの状況…すっごいデジャヴなんですけどぉ…。


その子はゆっくりと私を見ると、ビクビクと怯えながら後ずさった。
なんで私こんなに怯えられてんの?なんかしたっけ?

てか、この子めっちゃ目つき悪いなー。目つき悪いのにビビリとか可愛い。
さて、うちの部…というかスタメンに目つきが悪いのは一人しかいないんだけど…気のせいだよね!スタメンとか関係ないよね!普通に迷って入ってきちゃっただけだよね!!


とりあえずスッとその子に近づくと、肩をビクリと跳ねさせた。めっちゃ怯えられてる…。古橋とかならまだしも、私そんなに怖い顔じゃないはずなのに…!

しゃがんでその子の目線に合わせ、ニコッと笑う。


『君、お名前はなんていうのかな?』


「……山崎、弘。」


あちゃー、やっぱりザキだったか。なんとなく分かってたけどね?それでも現実逃避がしたかったんだよ!!


とにかくこの状況をどうにかしよう。

私でこんなに怯えてるのなら原が入ってきたら泣くかもしれない。アイツ見た目チャラいし。
…もしかすると花宮でも泣くかもしれない。ほら、子供って意外と鋭いじゃん?花宮のゲスい性格が伝わって泣き出すかも。
古橋が入ってきたらきっと気絶する。アイツは怖い。瀬戸は……なんとかなるんじゃないかな!


とりあえず私が逃げ場になるように仲良くなっておくか…。幸い、私のクラスはHRが無かったから他のクラスより終わるのが早かった。だから花宮達が来るのはもう少し後になるはず。その間に頑張ろう!


『ザキ…じゃなかった、弘くん。』


「…なに?」


『お姉さん弘くんと仲良くなりたいなぁ。一緒におしゃべりしない?』


「…うん!」


笑顔でそう誘えば弘くんは元気よく返事をした。

ザキって子供の頃からチョロいんだね。ん?今は子供だから更にチョロいのか?
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