短編

□古橋の場合
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コレコレコレの続き










『ハッ!なんか面白そうな予感がする。』


部室の前に立ち、そう呟く。なんだろう、なんか楽しそうなことがこの部室にある気がする。…とりあえず入ってみるか。

ガチャ、と扉を開ける。しかし、パッと見は特に変わったところはない。あれー?原ちゃんとかみたいに誰かがちっちゃくなってると思ったんだけど…。


『ん?』


ベンチの上に白い物体が置かれていた。あれは…タオルに包まれてるのか。

誰だよこんなとこにタオル置いたヤツ。原ちゃんか?
なんて思いつつタオルに近づくと、タオルが動いた。


『へあっ!?』


驚いて変な声出た。いや、だってタオルが動くなんて思わないでしょ!

恐る恐るタオルに近づく。そっとタオルの中を覗くと










そこには可愛らしい赤ちゃんがいた。










『はっ!?えっ、えっ!!?』


ちょっと待って、何が起こってるのか理解出来ない。
もう一度タオルの中を覗く。やっぱり赤ちゃんがいた。


えええええ…マジかよ……。面白そうな予感ってコレか…。というか、この子誰なんだろう。そう思って赤ちゃんの顔をよく見る。


『古橋じゃん。』


この死んだ魚の目は古橋だ。まさか生まれた時からこんな目だとは思わなかった。


『………。』


死んだ魚の目をしていても赤ちゃんは赤ちゃんだ。そして赤ちゃんは可愛い。

だ、抱っこしてもいい、よね…?

勝手に抱き上げたら怒るかな?泣くかな?不安はあるけど抱っこしたくてたまらない。だって可愛いんだもん!
一応親戚に小さい子がいるから、抱き上げ方とかは大丈夫なはずだ。

そっと古橋を抱き上げる。ふおお…!あったかい…!


『古橋ぃー。』


なんとなく呼んでみる。特に反応はない。少し悲しい。


『古橋康次郎。』


フルネームで呼ぶと、眉がピクリと動いた。おっ?


『康次郎。』


名前で呼んでみると、少しだけ嬉しそうになった。か、可愛い…!キュンキュンする!
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