殺し屋の空色
□2:蒼-2
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あーあなんでおれこんな小娘と付き合うことにしたんだっけ?と思いながらテーブルに置いてあるブラックコーヒーを口にする。
コイツは笑顔で話してるがおれには関係ねえ。だって好きでもなんでもねえから。
全然趣味合わねーし。歳の差5。周りからは絶対ロリコンだとか思われてるし。うぜぇ。
こんな奴早く殴って蹴って蹴って蹴ってぐっちゃぐちゃにしておさらばしてえけど、それはできない。
そんなことしたらサツに車のナンバーとか種類とか割り当てられて何日か前にやっちまった『ひき逃げ犯』だってバレちまうからな。
ホントマジびっくりとか通り越して何で、だろ。轢いた奴がコイツの兄さんだとか…あーマジで最悪だ。
「ね、それでさあ前行った」
コイツも気づかねえのかよ。おれが他の女と付き合ってんのとか。女ものの香水の匂いさっきつけてきたんだけどなあ。
分かりやすく振ってもこういうタチ悪い餓鬼はまたおれに引っ付いてくるからなー。そん時はおれキレて殴っちまうし。
あーもう早く気づいて自分からどっかいけよ。そーしたらおれ悪者じゃないし、コイツも素直に諦めてるってことだし。
「でさああの子ったら…っねえ聞いてる?」
「…聞いてるぜ」
あーうぜえうぜえ。ちょっと車でドライブしてその後小奇麗な店に連れて行ってもらったからっていい気になんなよ。
「…お客様、」
急に後ろから声がかかったと思えば釣り目の女。制服を着てるから店員か。
「なんだよ」
「警察の方がお見えになられています」
はっありえねえだろ。バレたにしちゃあ早すぎるぜ。
車の傷は闇の奴らに綺麗に直してもらったし、あん時一緒に居た女とは縁を切った。
密告か…いやそれはない。いや、そうであっちゃいけねえ。
おれは何を間違えたっていうんだ、畜生。
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