送られた文
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※卒業後ネタ
※梅シリーズ番外編
※旦那の一人語り
※最後は読者の想像にお任せ







春に、なりかけていた頃。
長次は小平太の元を尋ねた。
フリーの忍者として雇われ、放浪するようになってからというもの、小平太は山奥に篭り、誰も滅多に寄り付かない場所にたった一人で過ごすようになっていた。
それを知るのは学友だった自分を含め一部の小平太の友しか知らない。
小平太がいる山は山を下手に進めば春霞が道を惑わすような複雑な場所だった。
なるほど、これほどの場所なら確かに誰も来はしない。
長次はそう思いながら山を彷徨う。
かさ、かさ。
枯れ葉を踏み、ひたすら進むと水の音がした。
小川のようだった。
長次は小さく安心するように息を吐く。
川さえ見つければもう怖くはない。
小平太のいる場所はその川の流れる先にあるからだ。
川を辿っていくと長次は小屋とある人影を見つけた。
「小平太…」
小さく長次は呼ぶ。
すると、その影は長次の方を見て
「長次」
と答えてくれた。
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