君しか見えない
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※鉢→←雷
※恋は盲目














君が好きです。
なんて、怖く言えません。
なので遠まわしに聞いていいでしょうか?


僕は


君にとってどんな存在ですか?









「らぁいぞー」
「うわぁっ」
背中から来る衝撃に雷蔵はよろめいた。
後ろには飛びついてきた勿論、雷蔵の顔を借りている三郎。
よくあること。
普通にあること。
日常的なこと。
二人の戯れは基本、周囲からは見慣れたものでそれはまるで双子のよう。
何するにもいつも二人一緒なものだから、彼らの仲を微笑ましく思う人も少なくない。
「もう何するんだよ」
「だって、私暇なんだもん」
「だからってもう」
困ったように笑いながらも、決して雷蔵は三郎から離れようとも逃げようともしない。
わかっているのだ。
嫌がらせでも何でもなく、ただ三郎は構って欲しいだけだということを。
君は本当に酷いよね。
雷蔵は三郎と他愛ない話をしながら、思う。
君の優しさがたまに僕を苦しませているのを知っている?
それだけじゃないよ。
僕よりも凄すぎて、いつも僕よりも上に行こうとするから手が届かない存在に思えて本当に仕方ないんだよ?
僕なんかと一緒にいていいの?
ねぇ、三郎。
雷蔵は振り返ると真後ろにはずっとしがみ付いて離れず、一緒に歩いている友がいた。
思わず小さく笑った。
「ん? どうしたんだ? 雷蔵」
「全く君って奴は」
ねぇ、君には僕がどう映る?
相方?
親友?
それとも何?
「もうそんな雷蔵も好きだ!」
そう言って三郎は僕を正面から抱き締める。
果たしてこの優しさをどう受け止めるべきだろう。
伝えられる言葉は何処まで本当なのだろう。
偽りでもいいよ、僕は。
僕は君にとって一番近い存在でいられるのなら。



大好きだよ、三郎。







++++++++++
この三郎はオープンに雷蔵が好きですが、雷蔵には本気に見えず両片思いです。
いつかきっと陛下がいつもと違う真剣な顔で雷蔵に
「いつまで私の気持ちを無視し続けるんだ!」
って言って雷蔵は三郎の本音を知るといいです。
双忍は美味しい。
可愛いです。
では。
 

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