あったまるなら
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※体育委員会がお風呂に入ります
※映画『となりのト○ロ』のお風呂シーンを体育委員会でやってみた
※旦那はお父さん、嫁はお母さんですよね
※幼いが故にビビりだったらいい下級生
※だ、旦那!豪快過ぎます!
※こんな話でも楽しいの思ってくれる人が何処かにいたらいいです、たぶん















体育委員会の活動は基本、会計委員会とまではいかないがそれなりに遅い。
委員長曰わく、本当は日が沈む前に終わるよう活動しているつもりらしいが、その活動中に毎度迷子になる三之助の捜索や行き倒れた四郎兵衛や金吾の回収などで最終的には戌の刻ぐらいに全員が学園へと辿り着く。
今日もいつもと何も変わらないまま委員会が終わった。
一足先に学園に着いた小平太は空を見上げる。
冷たい風が吹く中、今にも雨も降るのではないかと空には黒い雨雲が漂っていた。
「今夜は冷えるな」
小平太は呟いた。
両腕には二人して目を回している行き倒れていた四郎兵衛と金吾。
走って帰っている途中に一度目を覚まして、何やら叫んでいたが何だったんだろう。
まぁ、細かい事は気にしない。
気にしない。
疲れてたんだな、と自分の都合のいいように小平太は考える。
すると、しばらくして
「七松先輩っ!」
と、後ろから小平太を呼ぶ声がした。
振り返るとやってきたのは縄で縛られ、余計なことをしないよう手を引かれている三之助と自分の後を追ってきたであろう滝夜叉丸だった。
「い、いい加減、人の話を、聞くという、ことを、覚えて、下さい」
息を切らしながら言う滝夜叉丸。
自慢のサラサラした髪も綺麗な顔も今や泥だらけ。
それはこの場にいる全員にも言えることだった。
あぁ、また皆に無理させちゃったな、と小平太は我ながら情けなく思う。
「よし、今から皆で風呂に入るぞっ!」
「は?」
突然の一言に滝夜叉丸は今なんと言いましたか、と聞き返す。
「だから、今から体育委員会全員と風呂に入ろうって言ったんだ」
小平太はまた同じ事を繰り返した。
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