言葉に出来ない気持ち
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※若干過去作品「それは己を守るが故に」とリンクしています
※三年な旦那と一年の嫁
※捏造いっぱい
※三木と滝の関係までも捏造










一年の頃から私は滝にとって一番の理解者だった。
様々な災難で悲しむ滝を私は出来る限り助け、守り、傍にいた。
「先輩」
月日が経つごとに見られるようになった美しい顔で向けてくれる笑顔。
それが見られるだけで、滝が傍にいてくれるだけで、私は幸せだった。
後輩に親しまれる心地が気持ちよかった。
だから、幸せなはずだった。
それなのに、何故私はこんなにも浅ましくなったのだろうか。
大事な後輩だと思って、蝶よ花よ、と言わんばかりに可愛がっていたのに。
その愛情はいつ道を外したのだろうか。
私はいつ滝を恋い慕うようになったのだろうか。
「滝、好きだッ!」
今思えば、あの時から私はお前一筋だったな。






小平太がそれに気付いたのは本当に偶然だった。
学園内でふと滝夜叉丸の後姿を見かけた。
それは同じ学園内にいるのだ。
見かけて当然である。
少し声を掛けてみようと小平太がそこへ赴こうとしたその時だった。
「滝夜叉丸」
と、滝夜叉丸の横から現れたのが他の組でありながらよく滝夜叉丸と一緒にいる三木ェ門だった。
友達同士のよくある光景。
この頃はまだ二人は張り合いなどせず、気の合う仲として連れ添っていた。
しかし、小平太は次の瞬間、どくんと心臓が踊った。
当然のように三木ェ門が滝夜叉丸の手を取り、隣を滝と一緒に歩いていく。
それは本当に絵になるほど似合っていることに小平太は気付いた。
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