微睡みの宵
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※予習という名の夜遊び
※藤内が好きだけど戸惑う三之助
※相手は誰でもよく、予習として完全に割り切っている軽い藤内
※三之助→藤内
※雰囲気で読んでください










『微睡(まどろ)みの宵』







「なぁ、三之助。少しいいか?」
夜、廊下を彷徨い歩いているといつの間にか藤内が後ろにいた。
白い寝着姿がより肌を白く見せ、下ろされている髪は風呂上がり直後だからか、艶やかでとても綺麗。
何故俺が呼び止められたのだろうか。
意図は、理由は?
それがわからず、立ち尽くすしかない自分は首を傾げて真意を探る。
だが、わからない。
妙に期待をする高鳴る鼓動がやかましく感じた。
そして、藤内の一言が俺を狂わせた。
「抱いてくれないか?」
恥らしいの欠片も感じられない口振りでの言葉。
普段から見知っている本人からは想像付かない、いきなりな話に俺は動揺した。
「何で?」
「委員会で夜の作法を教わってさ。先輩曰わく、慣れるのも大事そうだから……」
「だから?」
「予習にいろんな奴と経験しておいた方がいい、だって」
そう言って一歩ずつ近づき、寄り添ってきた藤内。
ゆっくり俺の手を取ってくすり、と薄ら笑う。
「三之助」
名前を呼ばれる。
それだけでも心が鼓動のように痛んだ。
あぁ、何度これを望んだか。
ふんわりとした変な空気。
酔っているような、うとうとしているような。
夢心地な気がする。
夜だからというのもあってだろうか。
誰もいない夜の廊下で初めて好きな奴と口付けをした。
部屋の相方がいない藤内の部屋で何度も抱いた。
好きにしていい、っていうから尚更。
物足りなかったら本人がむしろ要求してくるから逆に意地悪をしたりして泣かしたり、そうかと思えば優しく撫でてまた口付けする。そんな抱き方。

藤内、好きだよ。
好き…
だけど言わない。
言ったら止まらなさそうだから。
言ったらもっと欲しくなるから。だから、この気持ちは言わない。絶対に。
一晩限りかもしれない夢。
もう見れないかもしれない微睡み。
どうせならせめて夜がもっと長ければ、いいのになんて思った。







++++++++++
三年CPで最初にハマったのが次浦でした。
三之助に惚れたのがそもそもの始まり。
な、なんでだろうね!
お前、絶対三年の中じゃ最強だろ!?
無自覚を生かしてどんどん相手を四面楚歌如く詰め寄る奴だと私信じてる!
三之助の右位置は今のところ頭にはない。
左定位置の一人。

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