リクエスト

心配で心配でしょうがない
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※嫁が風邪引いた
※旦那は心配性
※てか、皆心配性
※体育委員会が家族に見えてしょうがない









異変に気付いたのは今日の朝。
目を覚ますと身体のだるさと熱さに頭が回らない。
どうしたんだ、自分と滝夜叉丸は思った。
布団から起きようと体を起こし、立ち上がろうとするとくらり、と視界が歪んだ。
力が抜けて立ち上げるのもしんどい。
「不味い」
嫌な予感がした。
我ながら情けない。
「風邪を引いた……」
滝夜叉丸はそう呟いた。






「じゃあ、滝。行ってくるよ」
部屋の戸を閉める間際、いつもの紫の制服に着替えた喜八郎が言った。
「ああ」
対して滝夜叉丸は火照る顔を手で押さえながら答えた。
「後で新野先生が来るからじっとしておいてよ」
「わかった。いろいろとすまない」
「そう思うなら、早く治すことだね」
そう言って喜八郎はゆっくりと戸を閉め、授業へ向かった。
足音が聞こえなくなる頃、滝夜叉丸は深い溜め息を吐いた。
日頃の疲れが、溜まったのだろうか。
滝夜叉丸は思った。
自分の日常は外の生徒と比べればかなり厳しいものである。
何故なら自分が体育委員会に所属している他、自主練を常に怠らずしていたから。
確かこの前、委員会でランニングにバレーにダッシュに、サッカーもしていた気が。
そして、その後戦輪の練習もしていたような。
とりあえず、日々の活動が体力仕事で大変なのだ。
いつまでもこうしているわけにもいかない。
今は休もう。
滝夜叉丸はそう言い聞かせて目を閉じた。
あぁ、今日は先輩にお会い出来ないのだな。
ぼんやりとした頭でそんな思考が巡る。
それを考えれば考えるほど少しずつ淋しさが募っていくのを感じた。
それから大分時間が経ち、昼過ぎ。
授業も終わっているだろう頃。
ドタドタという足音が滝夜叉丸の部屋へと向かっていく。
そして、戸は大きく開かれた。
「滝夜叉丸ぅううう!」
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