拍手ログ

ログ(けま家)
1ページ/1ページ

※食満家
※危なっかしい姫
※姫に一人で料理をさせてはい食満せん
※姫に甘い王子
※バカップル夫婦












『伊沙のオムライス』









「えっと人参と、玉葱と、ピーマンと、ウィンナー。こんな感じかな」
台所で材料を確認しているのは食満家の奥さんである伊沙。
ピンクと白のチェック柄のエプロンをつけて、よし!、という一言を言うと作業が始まった。
しかし、ザクザク、とやや怖い音を発しながら硬い人参を切り、目が染みて泣きながらも玉葱を切り、ピーマンに至っては細かく切ろうとすると何度も指を切りかけ、ウィンナーを切る頃になるとその作業は大雑把になっていった。
と言っても、下拵(ごしら)えがなんとか出来ただけでも伊沙にとってはすごい事である。
「次は炒めなくちゃね」
そう言って取り出したのはフライパンと油。
フライパンをコンロに乗せ、ある程度温めて油を少し加えればいいはずなのだが。
「あぁあ!」
どぷっ、と油の入った瓶を傾き過ぎてしまった所為でフライパンに適量よりも多めの油が注がれてしまった。
余計な脂肪の元が。
そう思ってももう既に遅かった。
「…し、仕方ない、か」
戻すともっと悲劇になりそうと伊沙は悲しさをぐっと堪えて、気持ちを入れ替えるように先程切った材料を全部フライパンに入れていった。
ジュウ、と音を立てて、炒められていく。
伊沙は木の箆(へら)を持って、玉葱がしんなりするまで混ぜながら炒めた。
そこへ伊沙はご飯を投入し、そこにケチャップを沢山入れて混ぜていけばお馴染みのケチャップライスの完成。
さて、此処が一番大事な部分である。
ちょん、と目の前に置かれた卵四つ。
割って混ぜるまでは大した事はない。
問題は…
「今日こそふわトロ卵を!」
此処だった。
別のフライパンに今度は慎重に油を入れ、卵を流し込む。
目指すは中が半熟トロトロのオムレツ。
それをケチャップライスに乗せて、オムレツの真ん中を切って開くとあっという間に半熟卵のオムライスの出来上がりというが伊沙の理想なのだが。
「いやぁあ! 卵が固まってく! てか、破けた! あぁあ! スクランブルエッグになっていくうう!」
上手くいくはずがなかった。
「ただいまー」
夜の八時過ぎになって帰ってきたのはこの家の主人である留三郎。
しかし、部屋からおかえりという返事は帰ってこなかった。
「伊沙ぁ?」
リビングに行くとそこには作ってくれたであろうご飯の前でしょんぼりと座っている伊沙がいた。
「なんだ、伊沙。いるなら返事しろよ」
少し一安心した留三郎はテーブルの上にある今日の晩ごはんを見た。
ケチャップライスの上に入り卵が乗っている。
あー、またか。
留三郎はしょうがないな、と笑って伊沙の頭を撫でた。
すると、伊沙は俯きながら呟きだした。
「留さん、ごめん。今日こそふわトロオムライス作ろうとしたんだけど…」
「うん」
「また失敗しちゃった…」
「けど、今回少し上達したんじゃないか? ちょっと前はケチャップライスが黒かったじゃないか。そう思ったら少しずつオムライスになってきているぞ」
「ほ、ホント!?」
やっと顔を上げて伊沙は留三郎を見た。
そこには正面には穏やかに笑っている留三郎がいた。
「ほら、冷めない内に食べようぜ?」
「う、うん! 今度こそ頑張るね!」
「伊沙、別に俺は伊沙が作ってくれるだけでいいのに」
「でも、留オムライス大好きじゃん! だからちゃんと作りたいっの!」
「まぁ、完成する日を楽しみにしておくよ」
こうしてほのぼのとした夕食の時間が過ぎていくのでした。






食満家、この後二人は一緒にお風呂に入ったそうです。






++++++++++
設定でも言いましたが、姫は料理できるけど危なっかしい。
非常に危なっかしい。
まぁ、全て上手く行けば問題なしって感じです。
これでもまだ潮江家の奥さんである仙よりは出来る方。
仙様が料理すると余計なものを入れるのでカオスになります。
だから潮江家のご飯係がもんじなのです^^
てか、一緒にお風呂に入る夫婦って素敵だよね!
誰か「わかる!」って人いないかな!
エロいと思うか微笑ましく思うかは人次第ですけどね!
我が家の食満家はこんな感じです。
食満家のイメージはべたべたラブラブです。
人様からすればうざい留伊かもしれないですが、那楽的にはこのぐらいが美味しいです。
あ、忘れていた。
伊沙には義父、義兄がいます。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ