拍手ログ

ログ(ななまつ家)
8ページ/34ページ

※クリスマスverななまつ家
※ちょっと過去話あり









『欲しいものは?』









「何か欲しいものとかないですか?」
滝は答えが何かと言わんばかりにニコニコと言う。
「滝、そんないきなり言われてもさー」
あぁ、このやり取りは例年通り変わらない。
あの時から――。








「では、24日はもう予定が入っているんですね」
電話の向こうで滝が少し淋しそうに言った。
「んー、そうなんだよ。ごめんな、滝」
クリスマス。
彼女と過ごすには絶好の機会。
しかもまだ自分達は付き合い始めて一年も満たない大学生と高校生。
二人の親密を深める為にも愛を育む為にもこの機会を逃してはならない、と思えば流石大学生生活。
そう簡単には行かないのが、現実で今度のクリスマスは無理かもって話を今電話でしていた。
「先生」
教育実習での癖がまだ残ってか、まだこの頃の滝は小平太を先生、と呼んでいた。
「ん?」
少しを間を開けて、滝は
「私の事はお気になさらずに頑張って下さい」
と言った。
それを聞いて小平太はなんてことだ、と電話越しに言葉にハッとした。
あぁ、滝!
「滝…」
「はい?」
「用事、何とかして早く終らせるよう頑張るからその日空けといて!」
「だ、大丈夫ですか?」
「こっちはいいけど、遅くなってもいい?」
「構いませんよ、私は」
忘れもしない。
その日にあった大学の課題も短期バイトのノルマもいつも以上に必死にやった。
早く、早く!
滝に会いに行くんだ!
今日はだって、イブなんだから!
その気持ち一心で用事を全て済ませて車を走らせた。
あの頃は会う機会が少なかったから、その日の前は通常よりも頑張ったのを覚えている。
「滝っ!」
車を止めたのは、滝の実家の前。
その前に滝がいた。
小平太は運転席から飛び出せば、まず家の前に立っていた滝を抱き締めた。
「せ、先生っ!」
未だ抱き締められることに慣れていない滝は腕の中でじたばたをし、顔を物凄く赤くする。
「滝、滝ー」
愛おしさが抱き締める度に湧いていく。
あぁ、それもこれも会うのが久しぶりだからか。
「ねぇ、滝。私ね、欲しいものがあるんだ」
小平太は改めて滝と顔を合わせると、




――滝が欲しいな。





とそう言った。




「昔の自分を今思うと、なんだかなー」
「そうでしょうか」
「でも、まぁ欲しいものは今でも変わらないかも」
「え?」
「滝ー、欲しいものなんだけどさ」










昔から七松家はほわほわです。







++++++++++
リクエストの馴れ初めネタでしたぁああ!
提供ありがとうございます!
なんかイメージずれていたらご報告してください!
リベンジします!
超自分向けすいません!
でも、たのしかった!
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ