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ログ(ななまつ家)
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※クリスマスverななまつ家
※嫁を気遣う優しい旦那









『無理させないように』








七松家では買い物は出来る限り夫婦二人で行っている。
元々二人で決めたルールではない。
最初、休日などに滝が買い物に行く度に小平太が何度も
「駄目だ! 一人だと何かと危ないじゃないか!」
と言って滝と一緒に買い物に行こうとすることが多かったので、やがて買い物というのは七松家の間では二人で行くという決まりになっていった。
滝からすれば正直嬉しく感じつつも、ちょっと照れくさい。
こんなにも大事にしてもらって、なんて幸せなんだろうか。
「あ、荷物は私が持つから」
一通りの買い物を済ませた二人はマンションの前に車を止めると、小平太は買ったものを纏めた買い物袋を全部軽々と持っていく。
「待って下さい、小平太さん! 何か一つ持ちます!」
滝は慌てて、小平太を引き止める。
「大丈夫、大丈夫。これぐらい」
「いえ、それでも!」
「んじゃあ、これかな?」
そう言って小平太が滝に渡したのは箱。
それは今回二人で食べる予定のクリスマスケーキが入っているものだった。
「こ、小平太さん!」
自分が言いたかったのは小平太と同じく重たいものを持つという意味だったのに渡されたのはまさかの小さな箱。
「滝、ケーキだってちゃんと持たないと中のケーキがぐちゃぐちゃになるんだからよろしくな!」
そう言って小平太は買い物を両手に抱えてエレベーターへと向かった。
「私はそんなに非力に見えるのだろうか」
滝は手に持つケーキの箱を見つめて、呟く。
「別に持とうと思えば、重たいものでも持てるのに」
「それは少しでもいいとこ見せたいからに決まっているからだろ?」
上から降ってくる声に滝は見上げる。
そこには先に行っているはずの旦那の姿だった。
「悪い、両手が塞がってエレベーターのボタン押せないんだ」
それを聞くと、滝は思わずくすっと笑みが零れた。
「だから、言ったじゃないですか」
そうして二人は揃ってエレベーターへ向かった。





今日も七松家は微笑ましいです。








++++++++++
リクエストからのネタでした。
提供ありがとうございます!
旦那の男前さが伝わればと思いますっ!
いやぁ、愛され嫁が微笑ましいですなvv
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