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ログ(ななまつ家)
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『ばったり、と』








ザバァ、と水の流れる音がする。
それは妻である滝が入っているから。
小平太は家事の手伝いとして洗濯物を畳みながら滝が上がるのを待っていた。
水の音が聞こえるたびに妙に緊張をする。
まぁ、何故かはいろいろとあるのだが。
「よし、終わりっ」
それを気にしないようにしながら洗濯物を全て畳み切ると、まずタオルを脱衣所に持っていくことにした。
もしもタオルが無くなっていたらそれもそれで大変だと思ったからである。
まだ入っているし、今なら、脱衣所に入っても大丈夫だろうと思ったのが、そもそも甘かった。
脱衣所の戸を開けると同時に浴室の戸も開いてしまった。
「「あ…」」
互いに言葉が出てこない。
畳まれたタオルの山を持つ小平太とタオル一枚腰に巻いている滝。
しかし、その沈黙は滝の羞恥心の限界によりすぐに破られた。
「きゃあああ! み、見ないで下さいっ!」
と、滝が慌てて浴室の戸を閉じたかと思えば、
「あ! ゴメン! タオル此処に置いておくから閉まっておいて!」
と小平太も急いでタオルの山を置いて脱衣所で出ると、脱衣所の戸にもたれて、その場にしゃがみ込む。
「やっちゃったー」
夫婦なのだから今更と思うかもしれないが、まだ自分達は新婚。
慣れない事も戸惑う事もまだいっぱいあるわけで。
虚しく溜め息が漏れた。
その後滝がお風呂から上がると、素直に謝る小平太の姿があったとか。









今日も七松家はドキドキです。







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旦那は暴走を我慢しております(笑)
謝ったら、「そんで実はさー」と話を切り出し、うんぬんかんぬんです。
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