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ログ(ななまつ家)
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※ななまつ家
※お祝いします!
※ご近所大集合
※赤飯
※やっぱり親友ですね









『皆でお祝い』









その日の七松家は本当に賑わっていた。
食卓にはめでたいと赤飯が上がり、近所集まっていろいろな話が飛んだ。
「小平太、もう少しゆっくり飲め」
長次がテーブルの上にあるカンに自分の手を乗せて言った。
その正面にはやや顔を赤くしている小平太が
「いいじゃんかー、少しぐらい」
とカンに手を伸ばすが、それは長次によって手に渡らないよう抑えられている。
少しうーん、と唸ると
「茶を飲め。最初から一気に飲む馬鹿がいるか」
と静かな言葉で呆れながらも長次はテーブルの真ん中にあるお茶入れを取ってコップに注いで小平太に渡した。
「うーん、ありがと。長次」
小平太は渡されたお茶を受け取り、それをゴクゴクと飲み干す。
「はぁー」
「慌てなくともまだ酒があるんだ、心配するな」
「わかっているよ」
小平太はちらり、と横を見た。
そこには隣りに住む親友二人と滝、近所で世話になっている伊沙と仙が囲んで女の話で盛り上がっていた。
因みにその傍には文次郎と留三郎がぎゃあぎゃあと何かしている。
「小平太」
「んー?」
「良かったな」
「あ、あぁ、うん! でも、本当はちょっと諦めていたかな」
「でも、しんどいのはこれからだぞ」
「え?」
小平太はまだ何かがあったっけとでも言うかのように首を傾げると
「妊婦は何かと大変だ。だから、気遣ってやれ」
と長次は横へ目をやる。
その先には滝がいた。
あぁ、確かに。
次第に家事とかしんどくなるよな。
つわりとか結構苦しいとか聞くし。
「なんか長次ってさ経験者じゃないけど、ホントいろいろ知っているなぁ」
「大丈夫か、お前」
「大丈夫、ちゃんと父親するよ!」
「なんか不安だ」
長次は頭が痛い、と顔を手で覆った。
「あー、何か食べようっと。ねぇ、赤飯後どんくらい残っているー?」
小平太がテーブルにあった皿を持って立ち上がると滝が
「あ、はい。まだ残っていますよ」
と言って小平太の持っている皿を受け取ると近くにあった赤飯が入っている炊飯器を開けた。
その隣りにはまだ二台炊飯器があった。
小平太はそれを見てふと思う。
赤飯を食べようとは確かに言った。
だけど、それにとしも多くないか?
「ねぇ、今日赤飯どれくらい炊いたの?」
その問いに答えたのは滝の隣にいる仙だった。
「喜べ、32合だ」
「え!?」
お、多すぎや、しないか?
小平太は正直に驚いてしまった。
それはもう数字が数字だからだ。
小平太の様子を見て仙はくすくすと笑う。
「嘘だ。本当は15合。30合も炊いたら流石に米が勿体ではないか」
あぁ、それなら納得する。
「だよなー、びっくりした」
会話しているうちに自分に前に置かれたのは赤飯が盛られた皿。
「はい、小平太さん」
その時の優しい笑顔で笑う滝はとても嬉しそうに小平太には見えた。
「あぁ、ありがとう」
素敵な人にありがとう。
「滝ー、早く生まれるといいなー」
「無理ですよ、後精々半月待たないと」
「半月かー、でも楽しみだなー」
めでたいめでたいお祝いは皆で祝おう。
さてさて、これからどうなるか。








今日のななまつ家はとても賑やかです。










++++++++++
いやぁ、皆様。
赤飯の量は当時行った赤飯一言コメ募集で決めました。
お陰様で作中のとある数字の二倍のコメを頂けました!
コメしてくれた方ありがとうございます!
はふはふー、おめでとうななまつ家!
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