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ログ(ななまつ家)
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※ななまつ家
※ちょっぴりシリアル
※旦那視点
※前世ネタ有り








『やっぱり心配はするもので』





滝が不妊症だと言ってから数日。
日常はついこの間のことがなかったようにいつも通りに流れていった。
「どうぞ、今日のお弁当です」
手渡されるお弁当。
「うん、ありがとっ」
仕事用の鞄にそれを入れると
「いってくるよ、滝」
「はい、いってらっしゃい」
言葉を交わして今日が始まる。
さて、どうしたものか。
あれからというもの、滝が無理に笑っているのがなんとなく目に付くようになった。
子どもの事なら私は別に気にしないのに、どうやら滝にとってはそうもいかないらしい。
あの時は大丈夫だと慰めたが、正直こういう時どうすればいいのだろうか、と年上の癖に情けなくも今回は流石に自分も困り果てていた。
ねぇ、滝。
私はね、子どもが欲しいって言っていたのはもっと二人の生活が楽しくなれたらと思って言っただけであって、滝がもし無理なら強制はしないよ。
だって、私にとって滝がまた昔のように私の前に現れて、私を好きになってくれて、そんでこの時代にやっと夫婦になれたことだけでも私は充分に幸せなんだから。
だからね、もしかすると、こんなに運がいいんだから子どもが出来なくてもしょうがないと少しだけ私も諦めが付いているんだよ。
だってこの上で子どもが出来たら、私はどれだけ恵まれているんだろって思うから。
そこまで運が良かったら、ある意味怖いよ。
別に私は前世で良い事した覚えなんて全然ないのに。
そんなことをぼんやり頭の中でぐるぐると考え事しながら、小平太は車を飛ばして職場に向かった。
仕事は大分慣れたから大したことはない。
授業を仕切り、時には授業内容の計画を立てたり、時には部活動の指導をしたり。
いろんなことしつつも頭に過ぎるのは滝の悲しそうな笑顔だった。
「ただいまァ」
しかし、帰ってくると
「おかえりなさい、小平太さん!」
どん、と滝が飛びついて来た。
よかった、今は笑ってくれている。
小平太は飛びついてきた滝を抱き締め返し、
「今日の晩ごはんはなんだ?」
と言った。
正直、自分に何が出来るのかはわからない。
まだ気がかりがいくつかあるけれども、それでも彼女が今のように笑顔でいてくれるならそれに変えられるものはない。
その笑顔をいつまでも見ていたい、と小平太はしみじみと思った。






なんだかんだ言って旦那はやっぱり心配なのです。





++++++++++
まだ終らないorz
自分の考えていた設定で自分の首を絞めているようです…
自分のお馬鹿!
毎度ながらぐだぐだですいません。
まだ続きますよ!
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