彩雲国物語（短編）
□ジンクス
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「お見合い……」
「そうです。今度という今度は絶対に結婚してもらいますよ」
２５歳。
世の中ではすでに行き遅れと言われる年齢になっていた。
父や母の焦りがわからないわけではない……。
それでも……あの人と交わした誓いを……果したかった。
「あっ…」
自分の室に戻る途中で、叔父様の喧嘩仲間で左羽林軍将軍の黒燿世様に出会った。
「燿世様……お見苦しい所をお見せしました」
「……………」
「いいえ…室に行きましょう」
「……」
「…はい」
先に歩き出した燿世様を見て、その背に抱きつきたくなるのを我慢して歩き出す。