俺屍小説

□01出陣
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「当主様、今月はどうされますか?」

 1019年1月。

 俺の名は雨月双樹(うづきそうじゅ)。鬼に呪われた一族の当主なんてものをやってる。
 鬼達の頭目・朱点童子がいる大江山は先月で入り口を閉じてしまった。次に開くのは今年の11月。それまでは、奴を討つ事は出来ない。

 …とは言っても、今の俺達のレベルじゃ行った所で返り討ちだろうけど。

「あの…当主様?」

 イツ花が心配そうに俺の顔を覗きこむ。

「あ…、どうした?」

「当主様…身体の具合とか悪いですか?だったら、今月は休養された方が…」

 「顔色もあまり良くありませんし…」と、イツ花は続けた。確かに最近体調は良くない。『短命の呪い』のせいだろう。
俺ももう一歳四ヶ月…。世間じゃ赤子だが、俺達一族は長くて二年の命だ。


 俺の命も…そろそろ尽きるだろう。
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