D.A-1
□オレだけを映して
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オレだけしか見えなくなるね
そう思ったのは、きっと何処かで、エルーがオレしか見えなくなって、オレしか信用出来なくなって、オレしか考えれなくなって、オレしか…
オレしか愛せなくなるっていうのを
望んでいたからかもしれない。
掌と掌の間に出来上がった感情を何と呼ぶのだろう。その答えを出すのは非科学的、非現実的な至って人間の心の底にある心理のようなもので、人はそれを"愛情"と呼んでいるわけだが、実際問題 昨日出会った女子にこんな感情を抱くなんて、オレは疑問に思っている。
だからといって、否定することは不可能のようだ。
何故ならオレは自覚してしまったからだ。エルーという女子に、好意を抱いている、と。
こんな風に考え込むのは自分らしくないと分かっている。そして口調もおかしくなっている。どうやらオレは混乱しているようだ。いつもの本調子が出せない上に、触れている肌が妙に冷たいということと、オレの顔がやけにアツアツということに、なんだか本当、見慣れた街が歪んで見えたのだ。嘘ではない。
その後意味不明な奴に襲われ一通りの命の危険を味わった後に分かったのは、
エルーを守れるのはオレしかいないということ
エルーを守るのはオレだ、ということ(なんか違うような)
エルーの泣き顔は見てられないということ
エルーがとても儚い運命だということと、
「(あぁ、オレ…コイツのこと好きなんだ)」
エルーのことが愛しいということ。
答えが要らないこの感情に、名前をつけるのは間違っているとオレは思うわけだが、
そんなのどうでもいいと思っている。
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キリらしくなさを目指しました(^ω^)意味不明な作品