D.A-2

□雨
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「…さて、これからどうしよっか。」

「…え、と……」


二人で顔を逸らすかのように見合わせていたお互いの視線から離れ、まだ熱の冷めない顔で、すぐには止みそうの無い空を見上げて溜め息が2つ零れた。


「止みそうにないね、」

「ですね…」

「アンタ、寒いでしょ。」

「大丈夫、です!」

「嘘。震えてんだろ。」


先程まで走っていたからこそ気付かなかった冷たい水分は、肩に浸透していていよいよ凍えさせるような迷惑な冷たさを帯びていた。その故、少し震えた肩。キリがそれを見逃すワケがなかった。


「ったく…素直じゃないな。」

「えっ、わぁぁぁあっ」


キリの呆れた声の後。感じたのは腰に回された温もりと、背中の熱。なんで彼はこんなにも温かいのだろう。
エルーはキリに背後から抱きつかれるかのようにして、抱き締められていた。


「ちょちょ、キリさん!なんで抱きついてんですか!」

「エルーが寒そうだから。」

「だから寒くないですってば、っここ外だし…っ」

「じゃあ、オレが寒いから」


ずっとこのままね、と言う彼。
こんなに熱いのに…寒いわけ無いじゃないですか、と悪態付く。
首筋にかかる熱い吐息にビクリと肩が揺れると、キリさんはニヤリと笑って、薄い唇を歪めた。


「…反応してる?」

「っ、聞かないで下さいよ…、」

「ねぇ、」

「何ですか?」

「キスしよっか。」


そう言われたのも束の間。
肩を掴まれて向き合う形にされながら、そのまま唇を押し付けられる。抱き締められるようになって、エルーもキリの背中にしがみつくように抱き付いた。









(キリさんの唇は、冷たい。)(アンタが熱いんだろ。)(体とかは熱いのに、意外でした)(なぁに?その発言。誘ってんの?)









早く帰ろう。
(二人で)







――――――――――


DAリレーの『雨』の時の作品を、再編集したものです。(´∀`)



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