D.A-2

□未来へ
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「アンタの手は離さない、」

と彼に言われたのは4年前。
自分たちに課せられた運命を受け入れ、そしてまた、一緒に戦うと誓った始まりの日。彼はまだ幼さが残るある街の少年で、私もまだ、シスターの少女だった。



「エルー、好きだよ」

始まりの日から半年と少したった頃、それは世界からトロイが無くなって、すべての人の病と心が癒やされ、私の夢が叶った日。約束の日。彼は救世主、私はもう、ただの少女だった。そんな私を彼は答えも聞かずに抱き締めたのを覚えている。
もちろん答えはイエス、しかあり得なかったけれど。





「、結婚しよう」


ずっと一緒に居たいから、と。そう彼に言われたのは3ヶ月前。トロイが無くなって、彼の家にお世話になって、彼がしっかりとした仕事についた頃、私の手を取りそう言ってくれた日の喜びは、今でも思い出すとじんわり涙が零れてくる。

今日、私の指には綺麗な指輪がついていて、白くて華やかなドレスに纏われていた。


「綺麗よ、エルーちゃん。」

「ありがとうございます…。」


ドレスのレースをきれいにしながらミンクさんはにっこり笑って手を取ってくれた。彼女の笑みは相も変わらず、優しく揺れる瞳に捉えられる。


「私ね、あの子がエルーちゃんを連れてきたとき、エルーちゃんはあの子の運命の子なんじゃないかと思ったの。」

「……、」

「自分の手は凶器だ、って言ったことあったでしょう?私、あの涙はずっと忘れられないわ。」

「…ミンクさん、」

「変ね、本当の母親でも無いのに、エルーちゃんのこの姿を見て、母親みたいに寂しくて、幸せすぎるくらい幸せなのよ、」

「…っ、」

「幸せになるのよ、エルー。何時でも私たちの家に帰ってきて良いんだからね。」

「はいっ、」


にっこり笑って私の目元の涙を拭ってくれるミンクさんの目にも、うっすらと涙が浮いていて、それが悲しみの涙ではなくて幸せなのだと思うと、本当に心が満たされるのを感じた。


「そろそろあの子も来るわね、」

「……あ、」


丁度コンコン、と控え室のドアが叩かれて、ミンクさんがドアを開けた。
ドアの向こう側には、始まりの日からスラッと高くなった背に、変わらず輝く金色の髪、この日に見合った衣装を着た彼、キリさんが立っていた。


「じゃあ、邪魔者は退散するわね。」


にしし、と笑いながらミンクさんは静かに扉を閉める。
いきなりの二人だけの空気にびっくりするほど緊張した。


「エルー…、だよな」

「は、はい…」


そうですよ、と顔を上げれば顔を真っ赤にして緩んだ頬を隠すキリさんが居て、いつも余裕しゃくしゃくな表情をしている彼の顔に少しばかりびっくりした。
どうしたんですか、と椅子から立ち上がってスカートのサイドを握り近付こうとすると、その前に彼が近付いてきてそして抱き締められた。


「、わっ…」

「エルー、すごい綺麗だよ…。」

赤くなるくらいね、
そう耳元で囁かれる声色は、とても優しげで、


「ほんっと、オレ、幸せ…」


私も彼の腰に手を回すと、彼の腕の力は強まって強く、強く抱き締められる。
彼は変わらない、優しく私を抱き締めてくれることも、手を取ってくれることも。何度も彼に助けられながら、何度も彼と笑ってきた。
それはこれからも変わらないことだと、私は思う。


「わたしも…、幸せ…ですよ…」

幸せすぎて、幸せすぎて、涙が出るくらい、幸せすぎて。
顔を見合わせ二人は、どちらかともなく、小さくキスをした。確かにここにある未来を、感じながら、



―――――――――――


世界がまだ、黒だった頃。
彼は私の光で、救いでした。





教会の鐘がなり、
私たちはその日、永遠を誓い合ったのです。

















――――――――――――

またgdgdな文ですみませんorz
ドラえもんの"のび太の結婚前夜"観てたら結婚前夜キリエルとかもええ!!って思って書いたんですが
これじゃ結婚当日だっつのwwwwという突っ込みは抑えてやってください(´;ω;`)ブルッ


読んでくださいまして、ありがとうございました!




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