Short Story
□ビスケットボーイ
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―ムシャムシャ…
「…んぐっむぐっ…うん、かなりいける味!」
何故かゆで卵と同じくらいの大きさになってしまったトレイズは、自分と同じ大きさもあろうビスケットをかじっていた。
案の定、口の周りにはかなりのビスケットの粒が付いている。
しかし、それを全くもって気にせず、次のビスケットに手を出したとき、
―ひょい
「…ふぃ?…ふわわわわぁ!?」
トレイズの体が宙に浮いた。
そして頭の上から、
「コラッ!」
という、リリアの声が聞こえて来た。
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