Short Story
□過去ノ夢
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『こんにちはー!』
誰かの声が聞こえた
「あ、リリアが来た!!」
テテテテッ
あれは…小さいときの俺か…
「こらートレイズ!!絵本を片付けてから行きなさぁい!!」
小さい俺を怒っているのは、小さいメリエルか…
この頃から早くも、しっかりしていたんだな…
ここは俺の家。
つまり、イクストーヴァの王家の家だ。
さっきまで小さい俺は、俺の部屋で絵本を読んでいたらしい。
「あーとーでー♪」
小さい俺が返事を返す。
おいおい。そんなこと言ったら、メリエルがもっと怒るぞ?
「ちょっとトレイズ!!あなただけズルイわよ!…このバカ!!」
あーあ、やっぱり怒った。
でもバカは酷いんじゃない?
「言ったなー!
メリエルのバカー!!」
お♪
結構言い返してるな、この時の俺。
「何だとー!!バカって言った方がバカなんだー!!」
我が妹ながら、何たる理論だ。
「さ、先に行ったのはメリエルの方だー!!」
ムム…少し押されてるな…?
『トレイズー!
外で遊ぼーよー??』
…ん?
さっきから小さい俺を呼んでいるのは、小さい頃のリリアだな。
かわいい…
「うん!今行くー!!」
小さい俺はそう言うと、メリエルの言ってることも耳に入らず、
(いわゆる無視。)
急いでリリアのところに行く。
そういえばあの頃は凄く楽しかったな…。