Short Story
□カルロの坂
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「うへー、暑い……」
おー、みんな元気か?
オレの名前は、カルロだ。
今の季節は夏。
今日は特に暑い。
「…ん?」
町外れにある噴水で、喉の渇きを潤そうと考えていたオレは、ふと、観光客らしき二人組が目に入った。
一人は、黒髪のお兄ちゃんで、
荷物を両手一杯に抱えている。
もう一人は、長い茶髪のお姉ちゃんだ。
二人とも15・6才くらいに見える。
二人は北の方の町外れに向かって歩いていた。
…誰だろう。
町外れには、泊まるとこもないし、土産屋もないのに…。
「…よし、後をつけてみるか。」
オレは、しばらく二人の後を追ってみた。
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