After Story
□居候
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リリアとトレイズが揃って申込書を出すと、
「はい、承りました。申し込み完了です」
とニヤついた表情で、先生からそう言われた。
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「何なのよ、あの顔!!
絶対私たちのこと、付き合ってるって思ってるんだわ!」
リリアは、先程の先生の態度に激怒しながら、トレイズと二人でグラウンドの横を歩いていた。
グラウンドには、サッカー部や野球部の部員達の掛け声が響いていた。
「仕方がないよ。
…ま、俺にはその方が嬉しいけど…」
トレイズがリリアを宥めながら、小さく小さく自分の希望をポツリと言った。
「フン、そうかしら?」
幸いなのかどうなのか、リリアには聞こえていなかった。
「ところでトレイズ、私達は一体どこに向かって歩いているの?」
リリアは不思議そうに尋ねる。
二人は、出ていくはずの校門を左手に見ながら、何故か職員駐車場に向かって歩いていた。
「ん?…あぁ、俺のサイドカーが置いてあるから。」
トレイズはさらりと答える。
「…はい?サイドカー…?」
リリアは眉間にシワを寄せる。
「あなたもしかして、ここまでまたサイドカーに乗って来たの?」
その質問にトレイズは、いかにも。とでも言うように、ニッコリと微笑む。
そんなトレイズを見てリリアは、
「呆れたわ。あなたは何でいつも…わぁっ!!」
トレイズを叱ろうとしたリリアは、いきなりトレイズに抱き寄せられた。
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