After Story
□再会
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世界歴三三〇六年
第四月の月 二日
リリアは、新学期初日の学校にいた。
制服を着て、今学期最初の授業の、二十人ほどが集まった教室で、一番後ろの窓側の席に座り、
「はい。皆さんお久しぶりです。
元気そうですね。
新学期は、私もワクワクします。
何か新しいことを始めたくなるような感じです。」
中年の先生ののんびりとした言葉を、
「………」
まるで聞いていなかった。
ぼんやりと目を開けて、空の流れ行く雲を静かに見つめていた。
「………」
隣の席に座っているメグが、心配そうにリリアを見つめていた。
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メグは、朝教室でリリアと会ったときに話したことを思い出した。
「リリア、元気ない…?」
リリアはその質問に、困った顔をしながら答える。
「…いやあ実はさ、例のイクスのトレイズが、ちと行方不明で…」
「え…どうして?」
「なんか色々あって、報告待ちなんだ…あはは」
「そんな…」
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「…それから、春のダンスパーティーの件ですが…まあみんなも分かっていると思いますが、明日がパートナー登録の〆切りです。
春休みには数々の手紙や電話が飛び交ったみたいですね。」
その言葉に、クラス中が微笑み、もしくは嘆いている中、
「………」
リリアはずっと空を眺め続ける。
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