After Story

□居候
2ページ/6ページ














「な、何?…!?」


動揺しながらも顔を上げたリリアの目の前を、サッカーボールが飛んで行った。



「………」


少しの間何が起こったか飲み込めなかったリリアだったが、


「…あ、ありがと」


と、トレイズに素直にお礼を言った。



「………」


それを聞いたトレイズは、心底驚いた様子だったが、


「すみませーん、そのボール返してくださーい!!」


というサッカー部員の、謝罪のカケラもない言い方にピキッときて、近くに転がっているボールを、





ドカッ


と、勢いよく蹴った。





「…ひっ」



当然の如く、蹴られたボールは、非常識な部員目掛けて飛んで行く…



はずもなく、ゴールに吸い込まれるように飛んで行った。



二人のところからゴールまで、およそ30メートルはある。


トレイズは、超ロングシュートをキメたのであった。





「「………」」


リリアとサッカー部員達は、ゴールネットに挟まっているボールをしばらくの間見つめていた。



.
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ