詩歌(色々)


□少年と少女 +α
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『少年と少女』 作:カミ


旅立とう 
枯れた花もすがる枝も捨て 今という一瞬に光差す
思い出に眠る街を振り返らずに 思い出を背に旅立とう
曇天の嵐に影は色濃く お前を誘う風をみた
お前を連れ行く先に月が光る 星雲の世界にお前は行くのか
荒野に俺は一人 ささやかな花の香りが俺を振り返らす
ああ 風が舞う この荒野に 
東の風よ 俺はお前の始まりの地に思いを馳せる
花々の乱舞に風は紅色に輝き 瑠璃色の空を駆け登る
語らう愛を見たか 語らう愛を聞いたか
今はただこの荒野の色に染まったお前とすれ違う
俺はこのささやかな花の香りを握りしめよう
お前が見た全てを見に 旅立とう

東の風は俺の向い風
お前が置き去りにしたものを探しに 俺は旅立とう

旅立とう
枯れた花もすがる枝も捨て 今という一瞬に光差す
思い出に眠る街を振り返らずに 思い出を背に旅立とう
かぐやの夜に光は色濃く お前の微笑みを見た
俺を連れ行く先に月が光る 星雲の世界に俺は行くのか
月夜に俺は一人 ささやかな花の色が俺を安らがせる
ああ 月が輝く この大空に
西の光よ 俺はお前の終わりの地に思いを馳せる
鼓動の囁きを俺は指に数え、紺碧の海に沈んで行く
語らう声を失い、語らう目を失い
今はただ冷やかな水辺に月が浮かぶ
このささやかな月の明かりを握りしめよう
俺が見た全てを手に 旅立とう

西の光は俺の道標
お前が待ちわびたものを渡しに 俺は旅立とう
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