詩歌(色々)


□退屈な日々
1ページ/1ページ

「退屈な日々」

青野に虚空を仰ごうと
この手に掴むものはない
光は金色の熱を上げて 肌を焼き焦がす
風は砂塵を巻いて 当て逃げを繰り返す

雲は何処も知らず 何処へ?
間抜けな鴉の声を聞きにでも行くのか
上下左右の理も知らない馬鹿者だ

青野に咲いたオオバコの一本
その身が引き裂かれる前に足掻くがいいさ
残酷な勝利を目前に情捨てきれず
己の身を引き裂かれてしまった阿呆だ

小川の澄んだ音色に誘われて覗けば
碧色の石が転がる下でザリガニが二匹
水槽に放り込んだ末路が見える
立派な鋏にかかるのは己の生き写しときた
鏡を一度でも見てから来い愚か物

笑える話もありふれて
笑う作業を忘れちまった
今日も退屈な日

さあこの世の全てを笑いに行こうか
この世に笑うネタが無くなったら最後
この俺を笑おうか
             それもいい

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ