はじめの一歩

□12月25日 0:00
1ページ/4ページ





12月24日 クリスマスイヴ。


オレには特に関係ない日。

だけど、バイト先のコンビニでも、クリスマスグッズやケーキの予約販売などがあって、今日がその日だという意識だけはある。

先に仕事を終えた学生は、彼女とデートだとかで浮かれながらそそくさと帰っていった。



夜も更けて、だんだん店は暇になり……。

「お疲れ様でした」

帰ろうとした時、店長に何かを渡された。

予備で入荷したケーキだ。

「余ったから持って帰って」という事らしい。


はっきり言っていらねぇ。

しかもホールだぜ。


「…どうも」


仕方なく貰って、店を出た。


「どうするんだ…コレ」

冷たい風が吹くの中、何故かクリスマスケーキを持って歩くオレ。

イルミネーションで無駄に彩られた街が眩しい。


家に着くまでに何とか…



ケーキをどうするか考えていると、前方に見覚えのある人物を見つけた。



「…佳織?」






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ