ゴッドハンド輝
□Collaboration
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「恭吾さん…?」
「ん?」
「…何やってるんですか?」
苺香の部屋のキッチンに立ち、鵜飼は何かを考えていた。
「苺香ちゃんの為に何か作ったろう思てんけど……ちょっと借りてもええか?」
「作るって…晩御飯をですか?」
苺香の言葉に、鵜飼は「そうや」と笑った。
「ネパールで一人暮らし長いし、簡単な料理なら出来るんやで」
そう言った後、苺香の許可を得て、冷蔵庫を開ける。
使えそうな食材を手に取り、苺香に見せた。
「カレーとかシチューとか、好きでよう作るんや。煮込むだけやしな」
「恭吾さん…」
「苺香ちゃん、何か食べたいもんあるか?」
鵜飼は優しく尋ねてくる。
苺香は、鵜飼を見上げて言った。
「恭吾さんのシチュー、食べたいです」
「…そうか」
苺香に目線を合わせ、鵜飼は微笑んだ。
「ほな、ちょっと待っといてな?」
その大きな手で、苺香の頭を撫でながら。
「――はい…っ」