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□月の言葉、太陽の言葉
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砂漠の夜に風が吹く。
音もなく、ただ幾粒か黄金色の砂が舞う。


下弦の月が、石の外壁を照らした。

厩舎の窓から差し込む月明かりに、一羽のチョコボが薄く目を開け、小さく鳴いた。

だがまたすぐに、安心したように眠りにつく。

まるで世界に平穏が戻った事を知るかのように。


静かな静かな、砂漠の夜。


やっと訪れた安らぎの時。
兵士達も今日は特別。見張りの人員を少し減らして交代で休憩を取り、この一年の戦いに思いを馳せた。
王の間では玉座が、待ちわびた主の凱旋を誇るように佇む。


その静かな城の一室で、賑やかな喧騒が聞こえる。ガチャガチャと食器の置かれる音、椅子のきしみ、そして明るい声。


「みんな、グラスあるか〜?」
「あたしワイン飲めないよー」
「誰か〜、リルムとガウにジュースついであげて」
「てゆーかウーマロって何飲むんだ?…えっ?氷水?」
「はいはい。これで揃ったな。…では!」


『カンパーイ!!』

高価なグラスの触れ合う音がしばらく続いた。全員が、他の仲間達と乾杯したがり、席を移動しながら笑ってグラスを鳴らす。


世界を救った彼らは、ここフィガロ城でささやかな宴会を開いていた。
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