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□家庭教師ヒットマンREBORN!(1)〜リボーン来る!
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――日本――
並盛町にある、並盛中学校・体育館。
体育館の中では、一年生の女子が体育の授業でバスケをやっていた。
「ツナ、パスいったわよ」
「えっ?」
ヒューン……ベチッ
「はぅあ!!」
試合中だというのにぼーっとしていた少女―沢田舂奈は、パスされたボールを顔面に受けてどだっと倒れこんだ。
「またなのー!?」
「頼むわよ沢田さん!」
呆れ返るチームメイト達。
チームメイトの呆れ返った声も心に痛かったが、今は肉体的な痛みのほうが強い。
「いったー…!」
「ツナちゃん大丈夫!?」
ツナがヒリヒリするおでこを押さえて座り込んでいると、何人かの優しい女子が駆け寄って気遣ってくれた。
「だ、大丈夫……」
「ツナちゃん、おでこ赤くなってる!休んでた方が良いよ!」
ツナの赤くなったおでこに濡らしたタオルを当ててくれているのは、クラスのアイドル的存在の笹川京子。
ツナの憧れ、そして癒しの存在である。
「先生、ツナちゃんケガしたので休ませます!」
体育教諭に許可を貰い、京子はツナをコートの外へ連れ出して壁際に座らせた。
(…女神だよ…女神がいるよ…!)
敵チームなのに甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる京子の優しさに感動し、ツナは涙で潤んだ瞳をさらに潤ませた。
「じゃあツナちゃん。私は試合に戻るけど…保健室行かなくて大丈夫?」
「うん。ここで静かにしてれば平気だよ。ありがとう京子ちゃん」
無理しないでね、と言いながら試合に戻っていく京子を見て、ツナは暖かい気持ちになる。
だが、それも束の間の事だった。
「もう、あなたのせいで負けたんだからねーっ!」
体育の授業終了後。
あの後結局負けてしまったツナのチームは、罰ゲームで体育館の掃除当番になっていた。
「…ごっ、ごめん」
自分がチームの足を引っ張っていた事はわかっていたので、ツナは素直にチームメイトに謝る。
「じゃ、そーゆー事でお掃除頼める?私達、貴重な放課後は遊びたいから」
「えっ!」
チームメイト達は俯くツナをひとしきり叱責すると、掃除用のモップを差し出してツナに押しつけ、帰り始めた。
「それじゃ頼んだわねー」
「ファイトー、ダメツナ!!」
「ちょっ、待ってよっ」
さすがに体育館全てを一人で掃除するのは無理だと感じたツナは、必死に待ってもらおうとしたが、誰もツナを手伝おうとする者はいなかった。
「テストは?」
「入学以来全部赤点!」
「スポーツは?」
「ダメツナのいるチームはいつも負けー!」
ツナに聞こえてないと思っているのか、聞こえるようにワザとやっているのか。
体育館の外から聞こえる笑い声と自分の悪口を聞きながら、ツナは深いため息をついた。