゚+。REBORN-27♀。+゚
□可愛さに勝るものなし
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一方、その頃のベルフェゴールは――
「くっそ〜…あのクソチビ、報告書なんて押しつけやがって……」
ベルは高級ホテルの一室で、マーモンが押しつけていった報告書をものすごいスピードで書いていた。
「何だよ、任務終わったらすぐにツナのとこに行こうと思ってたのに…。…大体報告書書くなんて、王子の手を煩わせなくてもマーモン一人でできんじゃん!」
ペラッ、カリカリカリ。
「いつもは金出せば書いてくれんのにさ、な〜にが『たまにはベルが書きなよ。そのうち字書けなくなっちゃうんじゃない?』だよ!王子が字が書けなくなるなんてありえないし!」
ペラッカリカリカリカリカリカリ
「しかも自分はツナに会いに行くって嫌がらせかよ!?あ〜もう、俺だってツナに会いたいのに〜〜!!」
文句を言いつつも、ベルの手は高速で動いている。
無駄にヴァリアークオリティを使いながらも報告書を途中で投げ出さないのは、ひとえに真面目なツナに嫌われないためだ。
バサッドンッ
「うしし、終わり〜!報告書10分で終わらせるなんて、王子すごくね?」
「さすがベルフェゴール様です」
ベルが報告書を終えて立ち上がると、部屋の隅にこっそりと控えていた部下が、報告書を受け取った。
(こっそり控えていたのは、機嫌の悪いベルに八つ当りされてはたまったものではないからである)
「ま、ツナへの愛の力ってやつ?」
「王子の姫への愛ですね」
「そ〜そ〜、それ!わかってんじゃん」
一人で盛り上がるベルに無難な言葉を返しながら、部下はコートを差し出した。
機嫌のよくなったベルは、それを素直に羽織る。
「じゃ、俺ツナんとこに行ってくる。後任せるから」
「かしこまりました。いってらっしゃいませ」
部下が深々と頭を下げると、ベルはロビーからではなくテラスから勢い良く飛び出していった。
一刻も早くツナに会いたかったのだろう。
「……ボンゴレ10代目は偉大な御方だ……」
10代目が殺しを嫌っていなかったら、今頃自分はどうなっていた事か。
一人部屋に残された部下は、機嫌の悪いベルと一緒に居たのに殺されなかったことを、ボンゴレ10代目の少女に感謝した。
「しししっ、マーモンにツナを独り占めなんかにさせないって」
ベルはビルや屋根の上を飛び移りながら、満面の笑みを浮かべた。
「姫、今王子が行くから待っててね」
王子が、悪い魔法使いの赤ん坊(×2)から姫を救い出してあげるよ。