゚+。REBORN-27♀。+゚
□NO.1アルコバレーノ!
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「マモちゃんってさ、可愛いよね」
「……いきなりどうしたんだい?」
それは、唐突に。
珍しく他に誰もいないツナの部屋で、二人っきりでゲームをして遊んでいた時の事だった。
何の脈絡もなく突然言われた言葉に、マーモンは一瞬目を瞠った後訝しげにツナを見た。
「え、どうしたって言われても……だってマモちゃん可愛いんだもん」
「ムッ、それじゃあ答えになってないよ。あと、ベルみたいな口調で言わない」
別に、ベルさんのマネしたわけじゃなかったんだけど……。
少し不機嫌になったマーモンを見て、ツナは困った顔で苦笑する。
他の人(主に男)の話をすると不機嫌になるのは、アルコバレーノの赤ん坊達全員に共通することだ。
普段は子供らしい一面などあまり見せる事のない赤ん坊達(実際はツナより年上らしい)が、唯一その時は子供らしい嫉妬を見せる。
「アルコバレーノって個性豊かな子ばかりだけど、意外と共通点あるよね」
「ムムッ、それってどういう意味?」
笑いながらツナが言うと、リボーン達と一緒にされて更に不機嫌になったマーモンが膝の上によじ登って、ツナを見上げてきた。
本人は抗議のつもりでやった行動なのだろうが、ツナはまったく別の意味で思考を奪われていた。
むくれたぷにぷにほっぺ。
ツナの服を掴む、ちっちゃな手。
フードで隠れて見えないが、それでも可愛らしい上目遣い。
「…っ、…かわっ……!」
「……かわ?」
いきなりふるふると震えだしたツナに、マーモンは小首を傾げる。
……トドメの一撃。
「可愛いぃ――――!!vV」
「ムギャッ!?」
とうとう耐えきれなくなったツナが、ぎゅうぅぅっとマーモンを抱き締める。
子供好き、可愛い物好きなツナにとって、さっきのような仕草はもう反則的なものだったのだ。
リボーンやコロネロなど他のアルコバレーノだったら、素でこんな仕草など絶対にしない。
というか見せない。
「うあぁぁぁ、やっぱマモちゃんは可愛い! アルコちゃんはみんな可愛いけど、その中でも一番可愛いー!!」
「ちょっ、ツナ?」
「他のアルコちゃん達だったら絶対こんな仕草しないもん! うん! ていうか好きな飲み物がレモネードとかいう時点ですでに可愛いし! リボちゃんなんてエスプレッソなんだよ!? しかもブラック!」
マーモンの可愛さに暴走をして、マシンガントークになりだしたツナ。
余談だが、可愛さについて会話し始めた時に放っておかれたゲームは、すでにゲームオーバーと画面に表示されている。