作品
□☆call my name☆
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正チャンは、僕の恋人なんだ。
すっごい可愛くて、時々苛めたくなるくらい愛しい愛しい大切な恋人なんだけど…
最近、正チャンに会えません。
call my name
何故だろう。
僕は完璧な彼氏だと思う。
容姿端麗、頭脳明晰、飛ぶ鳥を落す勢いの出世頭である僕は、恋人からすれば自慢すべき彼氏ではないだろうか?
それなのに、最近正チャンから連絡がこない…。
いつも、僕から連絡しているからたまには正チャンから連絡して欲しいなんて思って連絡を我慢してみたものの…
あれから一月、正チャン専用電話はうんともすんとも言わない。
会いに行きたい、しかし日本はなかなか遠い。
正チャンは何故、日本になんかいるんだ!?
「誰だ!正チャンを日本になんか飛ばしたのは?!」
「あんたですよ…」
後ろから生暖かい視線を送るレオは冷たい言葉を返す。
「レオ君、君…減給するよ?」
整った微笑みは、確かに魅了される程の威力がある。
しかし、中身が分かりきっている人間からすればうさん臭く、寒気がするだけである。
「減給は勘弁して下さい。
こっちは、白蘭さんがサボった分をカバーするので忙しいんです。
逆に増給プラス有休を頂きたいくらいです。」
確かに、先ほどからレオはバタバタと忙しなく動いている。
しかし、白蘭はそんなの関係ないとばかりにソファに寝転び始めた。
「だぁってぇ、正チャンから全く連絡がこないんだよっ?
僕、放置プレイは好きじゃないんだよね。」
ああ、やべえ。
今こいつを殺しても、無罪になるんじゃね?
などと思ってしまうレオであった。
「入江隊長も、お忙しいんですよ。
少しは入江隊長を見習って、白蘭様も仕事をしてください。」
仮にも、マフィアのボスという位置にいながら、ソファの上でだらけている姿は、なんとも情けないものである。
「せかせか働く僕って、かっこわるくない?
なんか、余裕がないのって嫌だよねぇ。」
やべえ、ウザイだけならまだしもナルにまで走りやがった…。
レオはそろそろ、O人事に電話しようかな、と思わず携帯に手が伸びたと後に語る。