L=NOVEL=D
□†都立ノーレドス学園高等部†
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「…なるほど、確かに見事な装飾だな。」
レザードはその本を見つめ言った。
金色の彫り物だろうか。
文字の様にも見えるその模様は、見る者を魅了する。
しかし、開かないのなら、ただの板も同然だ。
「…ん??」
レザードは、不意に目に止まった模様に心を奪われた。
金色のその模様は、文字の様にも見える。
「これは…ルーン文字。」
「…ルーン文字って、あの高等魔術書とかに書かれてるあれか??」
それは、古代神政時代に用いられたという文字で、神々の文字といわれている。
文明の崩壊、風化と共にその文字も消えてしまったが、つい最近、宮城県のストラグライト遺跡にて魔術書が発掘され、研究中なのだという。
高校生にはとても扱えない文字なのだが…。
「…汝、求めよ、さすれば道拓かれん。闇の淵の最果てより、其、咆哮さ迷えり、鎖放たれりし時、輪は狂いださん……」
「………え??」
セシルは不思議そうに、少し引き気味になりながら尋ねた。
「何で、そんなの読めるんだよ…。」
「…本を読んだから……。」
いやいや、とセシルは手を横に降った。
レザードは真剣にその本の表紙と睨めっこしている。
「…まぁ、流石、レザードってこと??」
そのセシルの声はレザードには届かなかった。
暫く、沈黙が続いた…。