L=NOVEL=D
□†都立ノーレドス学園高等部†
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季節は冬に近付いていて、そこ、グラム通りの欅並木は葉を散らし、黄色い絨毯となってその姿をあらわにしていた。
それぞれ、思い思いのマフラーを身につけ、行き交う人々は白い息を吐きながら、その手を温めていた。
「…で、用は何なんだ??」
その中を、レザードとセシルは歩いていた。
レザードの白と黒のチェックのマフラーも寒そうに揺れていた。
「まぁまぁ、そう焦るなって…。」
「……帰るぞ。」
レザードは踵を返して歩き出した。
オイオイ、とセシルはレザードの肩を押さえて留めた。
セシルは、ハァと息を深く吐き、その重たい口を開いた。
「…実はな、これを見てくれないか??」
「…??」
セシルが鞄の中から出したそれを、レザードは不思議そうに手に取った。
「…本か??」
「…開けてみ……」
その意味深なセシルの言葉に、レザードはその本に手を掛けた。
「………ん!?」
「……どうだ??」
レザードは掛けた手に込められた力を抜き、気になり顔のセシルに言った。
「…開かない。」
ハァァ、とセシルはまた深い溜め息をついてうなだれた。
レザードは訳も解らず、少し恥ずかしがりながらもセシルに尋ねた。
「…どういう事だ??」
「いやぁ、古本屋に行ったらさぁ、凄い装飾だし、100円だったから買ったらさぁ、これが開かない訳よ!!」
レザードは、
開かないなら買うなよ…。
と思った。