お題作品

□勝手なイメージ押しつけてんじゃねえ
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人と言うのは、出会った時の第一印象と、お互い慣れ合ってきたときの印象と言うのは違うものだろう。
だけど、それは当り前の事だと思うし、慣れてきて打ちとけあってきた…と思うととてもうれしい事だと思う。

だけど、それには例外があるとは思ってもみなかった。
彼に会うまでは。

「あのさ、何見てるわけ?」
「いえ、足立さんて、そんなキャラでしたっけ?」
「はっ?」

現在進行形でとても冷たい対応をしてくる彼、足立透さん。

「いや、もっとこう…なよなよとしてませんでしたっけ??」
「…なよなよ?あーあれ、作ってるから。だからなに?」
「いえ。なんでもございません。」

知りあったきっかけは、電車で痴漢にあっていた私を、この冷徹男が助けてくれた。
あの頃はとても優しくて、なんかなよっとして頼りないなぁ〜っていうイメージだった。
同じ稲羽市に住んでいた事もあり、狭い田舎だ。街中でよく会っては井戸端会議なんてしてた。
そのうちだんだん惹かれて、お付き合いすることになったんですが…。


ふたを開けてみるとこんなのでした。


「なに?なんか文句ありそうな顔してるけど。」
「いえ、その…もっとヘタレなイメージがありまして…なよなよしてて、キャベツばっかり食べてて絵にかいたような、草食系男子だと思っていたので今の状態になにやら私、驚いていまして…というかイメージと違うんですが…とか思ってました、ごめんなさい!!」

「…お前なぁ…






【勝手なイメージ押し付けてんじゃねえ】






「いやーーー!だからごめんなさいって言いましたよ!!!!!!!」


そのまま彼に頭をグーでこめかみを両方ぐりぐりされました。


「誰が草食系男子だよ!違うの…お前が一番知ってるだろ?」

ニヤリ。
まさにそんな音が聞こえてきそうなほどの妖しい笑み。
あぁ、私はとんでもない人を好きになってしまったようです。


こんなことされても、側から離れたくないだなんて思うなんて…。


「君って、ドMだよね。」



あなたのせいだと思いたいです。

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