お題作品

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藍がジョジョの野郎の行動に一喜一憂している間に、
どうやら俺たちの知らないところで、いろんな物事が進んでいた。

主に、ジョジョに。


彼女はまだ気づいていないだろう。
ジョセフとスージーQが恋仲の一歩手前ということに。
気付いた時、きっと彼女の瞳は絶望の色に染まるだろう。
その時俺は、どうするのだろうか。

きっと無言で彼女を抱きしめるだろうな。
涙で濡れた瞳に口を寄せて、そっとキスをする。
そして、額、鼻、頬、そして唇にキスをするだろう。

「シーザー…」

「藍、どうした?」

「ジョセフ、スージーQのことが好きみたいなんだ。」

「それは、ジョジョに聞いたのか?」
「ううん、見てたらね、そんな気がして…」
「見ていただけじゃあ、本当の事は分からないだろう?」

直接、気かなければ分からないこともある。
そう、聞きたくなくても聞いてしまうように。

「分かるよ!ずっと!!ずっと見てたんだから。シーザーにはこの
気持ち分かんないよ!いろんな女の子のところにふらふらしてる
いい加減なやつには分かんないよ!」
「……んな」
「なによ。」
「ふざけんなよ!俺だって、俺だって…」

ずっと藍を見ていた。
彼女か浮気性なやつは嫌いだと言ったから、女の子たちに声を
かけるのもやめた。
本気で口説いても、花を贈ってみても、俺を見てはくれなかった。
いつも、あの適当男ばかりを追い続ける瞳を、ずっと横で見続けた。


「なんで…」
「ごめん、ちょっと熱くなりすぎた。」
「なんで泣きそうなの?シーザー…」



「君がずっと、好きだからだよ。」

そう告げれたら、どれだけ良かっただろう。

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