お題作品

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「シーザー!どうしよう!!私、私幸せでどうにかなっちゃいそう!}

俺に、酷な告白をしてきた彼女が、いま、俺の前で
幸せそうにきゃっきゃと騒いでいる。


「どうしたんだい?」

「あのね、シーザー!ジョセフにね、だ、抱きしめられちゃったの!」
「藍は可愛いね、抱きしめられただけでそんなに喜んでくれるなんて…
男としてはとてもうれしいよ。…本当に。」
「だって、だって…嬉しいから!!」

そう言って顔を手で覆い隠しているが、指の隙間から
かわいらしく真っ赤になっている頬がちらちら見え隠れしている。

「それで、抱きしめられて、キスの一つでもしてもらったのかい?」
「えっ、そんなのないよ〜!!!ただね、躓いてこけちゃいそうなときに、
受け止めてくれた拍子に抱きしめて貰っちゃって…」


あぁ、あの鈍い適当男はこんな可愛い彼女に気付いていないのかと思うと、
とてつもなく腹が立つ。

「怪我の功名っていうか、あーもうね私、しあわせすぎて怖いよ」


俺はそんな君を冷静にみている俺自身が、怖いよ。

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