ヴァンパイア騎士:連載
□悲しみの色/第2夜
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見た目は変わっていない零。
でも、零の瞳は哀しげな瞳で、否定をしようとしなかった。
「…嘘だよね?零…零が吸血鬼なんて…嘘よ…嘘だって…」
「嘘じゃない。本当だ…」
そういった零は、すべてを諦めたような雰囲気だった。
「…ミスト…ごめん…」
どうして零が謝るの?
どうして零が吸血鬼なの?
「…誰が零をこんな風にしたの…?」
大好きな零を家族から引き裂いて、弟の一縷からも引き裂いて…挙句の果てには、吸血鬼にした奴…
そんな奴が許せない。
「…誰が…零にこんな事を…?」
憎しみが抑えきれず、自分でも驚くほど低い声で、話していた。
「お前には関係ない…」
そう言って、私に背を向け学園に戻ろうとした。
「関係ない…?どこがよ?」
――バンっ!!
私は零の足元に吸血鬼にしか効かない銃を撃った。
「何を…っ!!?」
驚いた零の元に走って行き、抱きついた。
「零の家族を殺した…零の家族は私の家族でもあったの…血が繋がっていなくても…だから、関係ないなんて言わないで…」
「…ごめん。でも、あいつは俺が殺る。だから…」
そう語ったとき、一番その相手を憎んでいたのは…零だと気づいた。
私なんかより…
深く…深く…
憎しみ、恨み、そして殺したくてたまらない…
そんな零に、私は何ができるのだろう?