ヴァンパイア騎士:連載
□悲しみの色/第2夜
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ノックをしたが、返事がない…
「理事長〜私です。入りますよ。」
部屋に入ると、見知った顔が一人いた。
「…なんでアンタが居るんだ?」
吸血鬼ハンターの顔の私はとことん性格が悪い…らしい。
「おー怖い怖い。お前にお仕事を持って来てやったんだ。感謝しろよな。」
コイツは、吸血鬼ハンターの訓練の時に、ペアで組んだ奴だった。
「その身なり…随分大物になったんだな。」
「そりゃ〜お前と違って学園ごっこなんかしてないからな」
――ザッ!!
ほぼ同時に、双方が首元にナイフを翳していた。
「腕、落ちたんじゃないか?」
「そんな事言ってる割に、速さ、私と変わらないじゃない?」
「相変わらず可愛くないな。」
「ありがとう。アンタの顔なんて見たくなかったから。」
今すぐにでも殺し合いが始まりそうな雰囲気に、流石の理事長も止めに入った。
「あぁ〜〜もう。だから吸血鬼ハンターは嫌いなんだよ〜。ミストちゃん、お仕事だよ。彼も言っていたでしょ?」
「仕事…?」
今更なぜ?ミストはそう言いたげな表情だった。
「ハンター協会の奴ら、お前をどうあっても逃がしたくないんだろうな。まっ、失敗したらこの学園ごっこは終わりだな。」
「失敗?ふざけるな。学園ごっこをしていても、仕事は続けていたさ。馬鹿にするな。」
(それに…今更だが、ありがたい。零の家族を殺した吸血鬼が誰なのか分かるかもしれない…)
あっそ…。そういって、奴は去って行った。
「理事長。しばらく帰れないかと…」
「そう。優姫や零には黙っておくから。気にせず行っておいで。」
「はい。」
仕事の内容…それは…
【レベル:Eの吸血鬼を100体処理せよ。】
「…これが成功すれば又…協会に入り込める。零の家族を殺した奴を調べられる。」
情報を手に入れるために…
再び、協会の犬になる。
つづく