ヴァンパイア騎士:連載
□悲しみの色 第1夜
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授業が終わり、夜の見回りも終えるまで、ずっとイライラしっぱなしだった。
「…なんであんな奴のためにイライラしなきゃなんないのよ!!あ〜〜〜もう。意地でも土下座させてやる!!!」
そうと決めたころには、体が勝手に零の部屋に向かっていた。
そ〜っと、男子寮に忍び込み…
零の部屋があるところまで来た。
…?
零の部屋からなにか物音がする。
その時はなぜだろう…
体が勝手に動き出し、そっと扉を開けて、覗いていた。
(私…何してんのよ!?こんなの最低じゃな…い……えっ…)
目の前で見えた光景で、私の思考は完全に機能を停止した。
「ぜ…ろ……っ」
―――じゅるじゅるっ…
液体を啜る、生々しい音。
そして…
優姫の服に広がっていく、紅いモノ
なにをしているの?
どうして零が優姫の血を啜っているの?
どうして…
「……っ!!」
気づいた時には、私は走り出していた。
行くあてなどないが…
とにかく走った。
学園の掟を破り、学園外に出た。