ヴァンパイア騎士:連載
□悲しみの色 第1夜
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「ちょっと零!!人が話してんだから、目ぐらいみなさいよ!」
「五月蠅い。」
「うっ…五月蠅いってアンタ…」
最近ずっとこんな調子で、喧嘩ばっかりしている。
「俺の保護者か?お前…」
明らかに、私と話したくないという目で、私を見ている。
「もう!いいわよ。零のバーカ。知らないんだから。」
いい加減痺れを切らした私は、零に背を向けて、歩きだした。
昔なら、後ろをついてきて、小さい声で「ごめん…」と泣き出しそうな声で謝っていた…。
だが、今はただのひねくれ者に育ったらしく、追ってくるどころか謝る素振りすらない。
「しらないんだから…零なんか嫌いだい…」