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□I WISH
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いつもいつも
大切なものを守りたいと

願っていた











I WISH












学校が嫌いだった。
少し青みがかった髪が気に入らないのか
ずっと黙ったままの自分が怖いのか知らないけれど


毎日続く嫌がらせや無視、もはや教師達も目を背けている。



だから、嫌いだった。


これは自分で決めた事だからしょうがないけど。



一人ぼんやり窓の外を見ていると


短めの髪に人懐こそうな笑顔、明るい声と、長い綺麗な黒髪に大きな瞳が特徴的な二人が話しかけてきた。



最初は興味本位だと思って、ずっと無視してたけど、しつこくしつこく話しかけてくる。

途中で気付いて、本気で『近寄るな』と脅した時もあった。


けれど、懲りずに二人は話しかけてきた。



いつしか、その二人でいるのが当たり前になっていった。


いけないと、判っていたのに。

近づいてはいけないと。



だから離れようとした。

大切だから
傷つけたくないから


でも、無理だった。



離れられないほど、二人は私にとって、大切な存在になっていた。



そしてまた一人、大切な存在が出来た。




また、傷付けてしまいそうな、人が。




もう、これはしょうがないと思った。
これが『運命』なのだから。





だから私は、強くなりたいと願った。

守れるように
傷付けないように





「悠っ!一緒に学校行こう!」

「朝から機嫌悪いねー。まいちゃんみたい。」

「低血圧ねー本当に。」





目の前にある笑顔を守りたい


ずっと隣にいて、笑いかけてくれた人を守りたい



それが私の、たった一つの、願いだ。












悠視点!
今ある話で判る範囲を頑張って書きました(笑)
過去話は一度一人一人番外編かなにかで書きたいですね。

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