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□君がいた、あの日。
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君がいた、あの日。









目の前にはいつものメンバーがいて。

いつものように、笑っていたんだ。





『舞ちゃんっ!早くしてよっ!!』

『ま、待って!あとちょっと!!』



真菜が急かす。
その前には悠と可那美が立っていた。


『なんであんな遅いのかしら舞鼓は。』

『…まぁ、舞鼓だし。』

『それもそうね。』





二人が会話してる。

絶対嫌味言ってるな、ちきしょう!



『よし!間に合った!』

『遅いまいちゃんっ!バス遅れるじゃん!!』

『…ねぇ舞鼓、何か言う事無い?』

『…ごめんなさい…。』

『よろしい。』


可那美に謝ってると、突然悠が走り出した。


『早くしないと本気で間に合わないぞ。』

『マジでっ?!』

『急げ急げ〜!!』












「…はぁ…。」


なんだ、夢か…。


ベッドから起きて、パジャマを脱ぐ。


去年、4人で遊びに行った。

その夢。


「何で今ごろ…。」


4人は3人になって。
私の隣は居なくなった。


もう、慣れたはずなのに。



「まだ寂しいのかな…。」



一人呟いて、制服に袖を通した。





君がいた、あの日。
私達はまだ4人で。
私の隣には君がいて。





みんなが笑顔だった、あの日。


私はまだその時、みんなバラバラになるなんて思ってもなかったんだ。


みんなで同じ高校行って、他の友達が出来ても、この関係は変わらないって


信じてたんだ。





だから、離れていったのが


とても不思議で
とても哀しくて


でも



『あんな形』でまた繋がるなんて



もっと思ってもなかった。
















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