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□とある昼下がり、お茶会開始時間にて。
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とある昼下がり、お茶会開始時間にて。










「…あれ、クレフは?」



みんなでお茶会をはじめようとした時、光がクレフが居ない事に気付く。



「本当だ、居ないわ。」

「どこにいらっしゃるのでしょうか…。」



海や風が心配する。



「じゃあ私が探して来るわ。」



プレセアが席を立ち、探しに向かおうとする。



「いいのか?プレセア。」

「いいわよ。ヒカル達はお茶会はじめててちょうだい。」



心配する光にそう言うと、プレセアはクレフの自室へ向かった。



クレフは大体、自室にいるか『精霊の森』で精霊達と戯れている。



今日はまだ城を出たようすがないから、多分自室にいるのだろう。



そう思い、プレセアはクレフの自室へ向かったのだ。






「導師、いらっしゃいますか?」



部屋の前へ来て、扉を叩いてみるが、返答は無い。



「おかしいわね…。導師、失礼します。」



返答が無い事を不審に思い、プレセアは扉を開けた。



そこに、クレフは確かにいた。しかし…



「寝てる…。」



クレフは、机の上に突っ伏して、すやすやと眠っていた。



「よほど疲れてらっしゃるのね…。」



クレフは性格上、何でも溜め込む癖がある。

それを他人に見せようとせず、自分一人で背負ってしまうのだ。



「…そこが、良いところでもあるんだろうけど。」



たまには、休んで欲しい。せっかく平和になったのだから。



「…お茶会、欠席しましょうか。」



頑張り過ぎな貴方のために。

今日だけは、ゆっくり休めるように。





「それに、寝顔も見れたし…ね。」



いつもは大人びて見える横顔も、寝顔はやっぱりあどけなかった。



もう少しだけ、この横顔を、見つめていよう。













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