月と太陽

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次の授業のために移動している途中…


「##NAME1##」


『あ』


土萌羊に出会った
もう会わないと決めていなのに…待ち伏せとは……
話がある雰囲気を漂わせていたので、颯斗と隆文には先に行っててもらった


『何の用?』


「…ありがとう、望遠鏡」


『……へ?』

予想していなかった言葉に間抜けな声が出た
思い出したのか…
それにしても、わざわざお礼とは、律儀というか何というか


「月子に聞いて、思い出した…だから、ちゃんとお礼を言いたかったんだ」


また“ありがとう”と言って頭をさげる土萌羊に『…どういたしまして』の一言が私の精一杯だった


『それじゃあ、私次の授業移動だから…』


「待って!僕が言うことじゃないと思うけど…月子を、月子を嫌わないで」


土萌羊のその一言が
私の穏やかな気持ちを一変させる
また、月子だ


『土萌羊に関係ないでしょ』


「月子、泣いてた。##NAME1##がいないと月子が…」


『月子が、何?そんなに月子が心配なら、私にかまってないで一緒にいてあげればいい。私に月子は必要ないから』


私には必要ない
アイツは…月子は、私の…!


「本気で言ってるの?」


頷くと…頬に痛みがはしる
叩かれたのだと理解するのに時間は掛からなかった


「やっぱり、キミは最低だ…月子のことちっとも分かってない。月子が可哀想だ」


『アンタは、何を知ってるの?分かったような口きかないでよ』


自分でも驚くほどの冷たい声を放ち、土萌羊から離れた



月子の片割れ
(分からないんじゃない)(嫌でも解るんだよ)



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